こんにちは!フルート奏者、アレクサンダーテクニーク教師の岡本元輝です。
横浜市神奈川区でフルートとアレクサンダーテクニークのレッスンをしています。
フルート吹きの多くが一度は悩む息の雑音問題。
音を出してるときに聞こえるシャーシャー音。通称シャーリング。
こんなにシャーシャーいってて平気なのかな、、、
汚い音じゃないのかな、、、
こんな風に悩んだことありませんか?
僕もめちゃくちゃ悩みました。
シャーシャー音がしないようにめちゃくちゃ練習したこともあります。
それがかえって音の響きを少なくしてしまっていることに気づかないまま。
そんな僕自身の経験をもとにこの記事が少しでもシャーシャー音に悩んでいる方のお役に立てればなと思います。
フルートの息の雑音問題
シャーシャーしない音を求めて頑張っていたとき
演奏するならもっといい音で吹けるようになりたいと思ってたくさんフルーティストの演奏を聴いてました。
どうやったらこんな音色を出すことができるんだろう、、、
どうやったらこんな風に多彩な音色の変化、強弱の変化をつけることができるんだろう、、、
こんなことばかり考えてました。(いまでもですが、、、)
自分の出す音の中で特に気に入らない要素があるとしたらシャーシャー音でした。
高校から大学卒業するまでずっと悩んでいたと思います。
それからシャーシャー音がしないように試行錯誤する毎日。
あるレッスンで「もっと音をまとめて、もっと息を使って、、、」と先生に言われたことがあります。
自分なりに音をまとめていたつもりでしたし、息も使っているつもりでした。
それにシャーシャー音もあまり自分の耳には聴こえないようになってました。
先生のアドバイス通りに吹いた音は自分にとってスカスカした音のように聴こえたんです。
それにシャーシャー音も増えた気がしました。
先生は「そんな感じ、、、」と言いましたが、僕の頭の中は混乱状態。
このスカスカした音がいい感じなのか??
これがいい音なのか??
ますますいい音ってなんだろう、、、と混乱しました。
転機はアレクサンダーテクニーク教師、フルート奏者でもある嶋村順子さんとのレッスンでした。
順子さんとのレッスンでのひとこま
アレクサンダーテクニーク教師養成コースで勉強しているときに受けた嶋村順子さんのレッスンでのことです。
レッスンで響きのある音を出せるようになりたい、シャーシャー音に悩んでいることを順子さんに相談をしました。(順子さんも同じフルート奏者なのでフルートのことはすごく相談しやすいのです。)
順子さんは私の音を一回離れたところで聴いてみてと言いました。
1回目と2回目で明らかに音の響きが違う演奏をしました。
・1回目はなるべく息のシャーシャー音がしないように吹いたとき
・2回目はシャーシャーも含んで吹いたとき
圧倒的にシャーシャーを含めたときの方が響きのある音だったんです。
そのとき自分の思ってた「いい音ってなんだろう??」ってなりましたね。
シャーシャーいっててもいいの??
え、、、むしろそっちの方が音は響いてるの??
軽いパニックですよね。
いままで頑張ってきた取り組みが実は役立ってないかも疑惑が発生したから。
順子さんはシャーシャー音がしないように吹く音を「近鳴りする音」と言いました。
「近鳴りする音」は自分には鳴っている「感じ」がするけれど、遠くではあまり響いていない音のことをいいます。
順子さんに音を響かせるためのアドバイスをいくつかしてもらい吹いてみました。
そのときの自分的には「音が鳴っている感じもしないし、自分の耳にはシャーシャー音ばっか聴こえる感じ」がしました。
だけど周りで演奏を聴いてくれる人たちは断然こっちの方が響いているよと口を揃えて言うんですよね。
録音を聴き直すとアドバイスを試したときのほうが圧倒的にいい音だったんです。
「自分の感覚はあてにはならない」とこれほどまでに痛感した瞬間はないです。
アレクサンダーテクニークの原理に「自分の感覚はあてにならない」というのがありますが、まさにそうでした。
ほんとに自分では吹いている感じ、鳴っている感じもしない。
むしろ汚い音が聴こえているのでは?と思ってました。
シャーシャーしないように吹こうとがんばっていた努力は一体なんだったんでしょうか、、、。笑
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そもそもシャーシャー音がしない音はいい音なのか??
これまでたくさんのフルーティストの方々にレッスンを受けてきました。
長い間お世話になった先生やマスタークラスなど。
まず当然ですが先生から聴こえてくる音色はひとりひとり違います。
いまその当時を思い返すと意外と近くで聞くとシャーシャー音が聴こえてたなーって思ったんですよね。
なかには近くでで聴いても、遠くで聴いてもシャーシャー音が全然聴こえない、、なんて方もいらっしゃいましたが。
でもコンサートホールで聴くとそれはもうみなさん素晴らしい多彩な音色なんですよね。
ほんとに人それぞれ違うなって改めてこの記事を書きながら思いました。
1つハッキリしているのは、ぼくのがやっていたシャーシャー音がしない音や鳴っている感じのする吹き方は、逆に音の響きを殺してしまっていたみたいでした。
さいごに
シャーシャーしない音をがんばって出そうとしていたときはものすごく作為的でした。
自分の音を1つの額縁の中に入れて、そこからはみ出したらダメ。
そんな感じで音を出していた気がします。
いまも練習が思うようにいっていないときは、どこかでシャーシャーしない音を求めている自分がいます。
長い間取り組んできたものはそう易々と手放せません。
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